上総堀り
今日は千葉県で井戸の配管の修理を行いました。
今回の井戸は竹を利用した上総堀り(かずさぼり)と言って、千葉県君津市で文政年間に開発されたそうです。
明治20年頃には技術的に完成し、竹ヒゴ利用により360M以上の掘削が可能になりました。
当時は上総堀りの技術が日本全国に広がったものの、今ではボーリングマシンが主流です。
ただ、現在でも水不足で困っている世界中の国々へ上総堀りの技術を継承するために指導者が世界で活躍しているそうです。
井戸だけに、なんとも深いですね。
(先人には頭が下がります。)
さて、修理です。
井戸から出ている配管が折れてしまっています。
井戸に接続されている部分を取り外して見ます。
「なんだ、こりゃ。」
井戸の穴の回りにゴムパッキンを取り付けて、継手で挟み込んでいただけでした。
「へーっ、単純。」
ひとまず、同じように井戸に継手を接続してバルブを取り付けます。
井戸の中では継手をしっかりと持っていないと、落としたら大変です。
ここまでは普段の漏水修理と変わらないので手慣れたものです。
水が出ている状態で作業が完了し、最後にバルブを閉めます。
すると、どうでしょう。
今度は井戸の上から水が溢れ出てきました。
今まで配管から水が流れ出ていたのを止めたので水位が上がってきたのです。
自然の力は凄いですね。
地下何百メートルから自然に湧き出ているのです。
とりあえず、井戸の高さを延長して溢れるのを防ぎます。
「シュー、ジョロジョロ」
聞きなれた親近感のある音です。
「あぁ、パッキンがダメだったか。」
井戸の接続が想定外だったので仕方ありません。
(うーん?はたして、井戸の水位が上がっているのにパッキンを取り替えても水圧に耐えられるのか?)
どうやら、リベンジ戦となりそうです。
次回をお楽しみに。